化学工学とエレクトロニクス、一体どんな関係があるのでしょうか?実は、化学工学科の卒業生は、化学会社のエレクロトロニクス部門に就職する機会が多いのです。これは、世界のエレクトロニクス材料の65%を日本から輸出しているためです。そのため、本部会の構成メンバーの大部分は、企業の会員の方です。この特徴を活かし、産学連携の大型国家プロジェクトやシンポジウム開催を主体に活動しています。化学工学会への新参部会ですが、会員各位の積極的な入会を期待しています。エレクトロニクス材料の生産工程では、様々の課題を解明するため、化学工学のアプローチが必要とされています。
1999年に旧産業部門委員会の部会として、実装プロセス工学部会が発足し、2003年10月にエレクトロニクス部会となりました。これまでに数々のシンポジウムを企画して参りました。定常的な活動として、企業から製品開発課題と、大学から対応可能な研究テーマを持ち寄り、摺り合わせし、産学連携の研究テーマを探索すべく討議をしています。部会で求めている研究テーマは下記のとおりです。
などが代表的なものです。団体会員は数名の個人を登録出来るようにされており、この登録者と個人会員をを合わせて100名の団体です。
私はシリコン半導体の材料とプロセスを専門としており、今は会社の企画部門にいます。エレクトロニクスの観点から新しい研究テーマや事業のタネを見つけ、これを実現するための組織横断的な枠組みを整えることが仕事なのですが、そのためには社内だけでなく、大学や他社との連携も重要になってきます。化学工学会エレクトロニクス部会では、化学工学とエレクトロニクスの融合した新たな技術や応用のヒントがたくさん転がっており、毎年のシンポジウムでは基礎理論から材料、プロセス、応用に至るまで第一線の研究者の最新の話を聞くことができるなど、新たな知見とネットワークを築くのにとても役立っています。今後も皆さんとご一緒に、エレクトロニクスの進歩と発展を推進していきたいと思います。
私は、プリント基板プロセスと実装プロセスの間に位置づけられる半導体実装用基板の研究開発に従事しています。この部会に若手として参画するようになってはや6年が経ちました。その間、各分野で活躍されている幹事諸氏の謦咳に触れる機会が増えました。目先の研究成果よりも有意義な事だと思っています。毎月、テンノウズパークサイドビルにて、素晴らしい眺めに目を取られながらも、諸事議論しております。議題は、ホームページの話、産学連携枠組みの構築、次世代配線導体材料、シンポジウム開催など尽きることがありません。それから、討議の後の懇親会では、ためになる話も聞けます。なかでも三井金属の石井先生から聞いた「蟻の一生」は心に残るものです。蟻は、生まれてはじめに卵の世話をするそうです。一人前になってからは、巣と餌場を往復します。そして老いてから、最後にどうすると思いますか?次世代のため、新しい餌場を求め、孤独に旅立つのだそうです。幹事の皆さんもいつまでも、チャレンジ精神旺盛でありたいと思っています。